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『CHESS IN CONCERT』日本公演終わる!

1月26日木曜日、東京青山で“日本初お披露目”となった『CHESS IN CONCERT』日本公演は、舞台を大阪・梅田芸術劇場に移し、本日2月12日、日曜日に、めでたく幕を閉じた。最後はスタンディング・オベイションで総立ちとなった観客の拍手が鳴り止まず、本公演で登場した11名の俳優陣と、アレンジャーで音楽監督の「島健」さんが舞台に登場。主演のフローレンス役「安蘭けい」さんプレゼンターの元、舞台挨拶。涙あり、笑ありのコメントが飛び出し、観客は食い入るように俳優陣を見つめていた。誰もが異口同音「『CHESS』は、理解するのに難しかった」と言う本音も。今回はまず「コンサート・ヴァージョン」のみの披露となった。フレディ役の「中川晃教」さんが「ミュージカルにしては短すぎる、でも、コンサートにしては長すぎる」と言う胸の内を漏らすと観客が大爆笑する一幕も。最後に安蘭けいさんが言っていたように、次は『CHESS』ミュージカル日本語ヴァージョンの公演を願って止まない。今回の公演が、素晴らしいコンサートだっただけに、是非、本編の複雑怪奇の『CHESS』を日本語で観てみたいと思っているのは筆者だけではないだろう。

 『CHESS』を理解するのは俳優はもとより、観客も何が何だか分からない内に終わってしまったというのが正直なところであろう。では『CHESS』とは一体、何なのだろうか?それを紐解くには歴史を四半世紀前に戻さなければならない。

筆者が初めて『CHESS』に触れたのは、東西冷戦が実際にあり、日本がバブルに向かって突進していた学生時代だった。当初、友人から聞いていたのは「『CHESS』は冷戦の話らしいよ」と言う以外、何もわからなかった。ただ、筆者が高校を卒業して間もなく、ミュージカルよりも先に『CHESS』のアルバムが発売され、その中で「ワン・ナイト・イン・バンコク」「アイ・ノウ・ヒム・ソウ・ウエル」が世界的に大ヒットし、大凡の流れは掴んでから舞台を観たので、ある程度は理解できた。日本では当時、今のAKB同様、「おニャン子クラブ」が一世風靡しており、未だにABBAを追っかけている当方は、未練たらしいと揶揄されていた。当時、筆者を含め、数名のABBAファンが、多くの人達から白い目で見られていたのは言うまでもない…。

 さて、本題に入ろう。『CHESS』を真近で観た最初の感想は「圧倒された!」と言う言葉以外に適した用語が見つからないくらい、打ちのめされた。単なる“東西冷戦”では語り尽くせないストーリーが、そこにはあった。だが、小学生以来、ABBAに慣れ親しんで来た筆者は、ビヨルン、ベニーの姿がハッキリ見えた。

 『CHESS』開演当時、日本の音楽評論家も演劇評論家も、現地に行って観ようとせず、『CHESS』を遠ざけた。当時は携帯電話もメールもなかった時代。高い航空運賃を払い、片言の英語で単身、現地に乗り込む以外、『CHESS』に触れることは不可能だった。

 第一幕でフレディが、メディアのクダラナイ質問にイライラさせられたのは、映画『ABBA・ザ・ムービー』(本作は1978年夏より数年間、日本で上演、現在、ユニバーサル・ミュージックより、日本語字幕版DVD発売中)の中で、実際にABBAが、オーストラリアのメディアから、音楽とは関係ない話題にウンザリしたシーンが思い出された。当時、これは、1980年の『ABBA・ジャパン・ツアー』の時もそうであったが、メディアの関心は、ABBAの音楽に在らず、「アグネタのヒップには保険が懸けられているのは本当か?」とか、「夫婦で24時間、一緒に居て、飽きないか?」とか。その手の質問ばかりだった。恐らく『CHESS』の歌詞を書いたビヨルンは、フレディを通して、メディアに痛烈な批判を浴びせた(演じた)のではないかと思う…。

 とまあ、全部「種明かし」をしてしまうと、今後の楽しみがないのでやめておくが、『CHESS』は、単に、ミュージカルという演目だけで理解しようとせず、是非とも、ABBAの曲を聴いてからのち、再度、『CHESS』のアルバムを聴いてみて欲しい。きっと、ビヨルン、ベニーの意図する何かが、見えてくるだろう。

 四半世紀、待ちに待っていた『CHESS』。今回、例え「コンサート・ヴァージョン」、そう『CHESS』のダイジェスト版とは言え、触れられた人達は、大変、ラッキーだったと思う。なぜならば、東北震災で観に行けなかった人もたくさんいたからである。

 リベラルな評論家で有名な佐高信氏が「歴史は、その時に、そこで味わった人にしか、わからない。どんなに、後で、資料を見て、完璧な歴史小説を描いても、そこには“ウソ”しかない」と語っていたのを思い出した。今回、筆者は3回、観賞したが、ABBAと共に歩んできた自分の人生を振り替えつつ、涙しながら、阪急電車に乗った。車窓から見える光景は、何とも味気なかった…。四半世紀は、あまりにも長過ぎた。

 ミュージカル版『CHESS』上演。必ずや実現すると願い、今後も『CHESS』の素晴らしさを語って行きたいと思います。荻田浩一ディレクター、島健音楽監督、俳優の方々、スタッフの皆様、そして「梅田芸術劇場」の社員の皆様。本当にお疲れ様でした。

 2月12日、日曜日16時8分。幕は閉じた。


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