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『CHESS THE MUSICAL』石井一孝とラミン・カリムルーとAdult bullying

2015年以来4年数か月ぶりに上演中の『CHESS THE MUSICAL』。今回は“まさかの”主役級全員外国人と言う配役。意図がどこにあるのか?よくわからないが、外国人でないと『本物感』が出せないということなのだろうか?筆者は1984年の『CHESS IN CONCERT』初演、及び1986年の『CHESS』ミュージカル版初演から今日まで『CHESS』を数十回、世界中で観てきたが、前回までアナトリーを演じていた石井一孝(以下、敬称略)は本当に素晴らしいかった。思わず世界中のABBA・CHESSファンに「素晴らしいアナトリーを見つけました。日本人の石井一孝が演じるアナトリーを是非、ご覧になってください」と報告したほど、外国人には負けない演技力を見せてくれた。そのカズさん(石井一孝)がいないアナトリーはいささか寂しさを感じがしたが、またいつの日か「石井アナトリー」を観る日もあるだろうと心を切り替えることにした。

石井一孝(いしいかずたか)は1968年生まれの現在52歳の日本を代表するミュージカル俳優、シンガーソングライター、音楽監督である。ここ数年の代表作は2018年ミュージカル『シークレット・ガーデン』のネヴィル役、2019年ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のヴェローナ大公役、同年ミュージカル『SMOKE』の〈超〉役、そして今年2020年ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』 オリン役である。また2015年放映のTBSテレビドラマ『下町ロケット』の石坂宗典役は“本当は恐ろしいかもしれない石井一孝”の一面を観ることができた。石井はユーモアからシビアな役、ホラーな役まで演じられる“ユーティリティ・プレーヤー”なのだ。また「クイーン」を語らせたら、話が止まらないほどの「クイーン」好きは業界でも有名である。

そんな筆者と石井が出会ったのは2012年の『CHESS IN CONCERT』が最初であった。その時、石井にインタビューしたことがある。
筆者「今回は日本人初のアナトリーを演じたわけですが、演じてみてどうだったですか?」
石井「いやあ、緊張しっぱなしだったですよ」
筆者「舞台では堂々と演じられているように観えましたよ」
石井「このアナトリーと言う役は稽古を積んでも積んでも『完成』しないのです」
筆者「では『完成』しないまま、舞台で立派に演じられたと?」
石井「過去に出演させていただいたミュージカルはいずれも緊張しましたよ。でもアナトリーは“緊張”の度合いが、半端ないんです」
筆者「今はコンサート版ですが、そのうちミュージカル版も上演することになりますよ」
石井「そうですよね?だからこそ、ココで、アナトリー役を終えたくないのです。ミュージカル版まで出演できるでしょうか?」
筆者「僕は今までABBAに報告したことはありませんでしたけど、『日本の石井アナトリーは素晴らしいので是非、ご覧になってください』とレポートしましたよ」
石井「えっ?そうなのですか?」
筆者「僕は1984年の『CHESS IN CONCERT』初演、1986年の『CHESS』初演から世界中で『CHESS』を観てきました。当時はまだ“冷戦時”だったので、『CHESS』がより身近に感じました。特にマレー・ヘッドが演じた、フレディは今でも頭から離れません。でも今は冷戦が終わり、中国が台頭し、アメリカ、ロシアと共に三角関係が新たに生まれました。本当に恐ろしいですよね?中東や北朝鮮も緊張状態ですし。『CHESS』を一度も観たことがない日本の評論家のオジサマ達は『冷戦が終わった今、CHESSも終わった』とビヨルン、ベニーに対して失礼なことを連発していますが、彼らは何もわかっていないのですよね。冷戦中であろうがなかろうが、アナトリーは変わらないということを。だって、アナトリーは共産主義国から自由主義国に亡命しても『性格』は変わらなかったのだから。つまりアナトリーはいつの時代も、そしてどこにいても『真面目』で『融通が利かない』気質だと思うのですよね?ですから『CHESS』の時代背景が冷戦下であろうが冷戦後であろうが、アナトリーは変化なしというわけです」
石井「僕も同じことを思っていました。結局、アナトリーは『真面目』過ぎるのが長所でもあり、短所でもあると」
筆者「アナトリーは終始笑顔を見せませんよね(フローレンスと恋に落ちるところは別として)?石井さんは笑顔の無い人物アナトリーを演じるのに舞台初日から千秋楽まで“心”を維持させるのも大変だったのではないですか?」
石井「おっしゃる通りです。どうやったらより本物のアナトリーを演じられるのか?今も困惑中です」
筆者「でも、その難しい役柄を見事に演じきった石井さんは凄いですよ」
石井「東山さんと話していると、永遠に日本では僕がアナトリーを演じたくなってきました」
筆者「ところで、第一幕の『アンセム』は最大の見せ場ですが、ソロでアナトリーの心境を歌いきるのはご苦労されてたのではないでしょうか?」
石井「そうですね、いつも“自分の心”に歌詞、一言一言をかみしめて歌い切りました」
筆者「実はこの曲、ABBA9枚目のアルバムに入る予定だったのですよ」
石井「えっ?ABBAの曲だったのですか?」
筆者「そうなんです。でもお蔵入りになってしまい、『CHESS』でお披露目されることになったのです」
石井「ABBAの曲を僕は歌ったのですね。それは光栄なことです」
筆者「しかもヴォーカルはアグネタ」
石井「ワオ、アグネタですか、あのアグネタ?」
筆者「ファルセットなしで4オクターブ出せる、あのアグネタです。もしかしたらアグネタが歌っていたかもしれない歌を石井さんは見事に歌い切りました。素晴らしいことです」
石井「東山さんと話していると、どんどんABBAの魅力が伝わってきます」
筆者「いつか、『クイーン』魂と、『ABBA』魂をとことん、議論しあいたいですね」
石井「はい、是非是非」

アナトリーと言えば「第一幕」では「アンセム」と言う曲を披露し、亡命の悲しさを観客に訴える。
「I cross over borders but I’m still there now(国境を越えても、私の心は今も祖国にある)」。物語は日本のバブル期まで続いた「東西冷戦時代」。そんな中、イタリア・メラノで『CHESS』世界選手権が開かれた。新王者になったソ連のアナトリーは、前王者である米国のフレディのセコンド、フローレンスと恋に落ちる。アナトリーには妻子がいたが、国家を背負ってチェスをする重圧から、亡命を決意。なぜ国を捨てるのかとメディアにマイクを向けられたアナトリーが、祖国への思いを込めて歌うのが、「アンセム」だ。

「アンセム」は前述したように、もともとABBA9枚目のアルバムに入る予定だった曲。それが実現できずに『CHESS』で使われることとなった。

今回、演出・振り付けに招かれたのはロンドンのミュージカル界で活躍するニック・ウィンストン。「ロンドン初演の演出を当初手掛けていた『コーラスライン』の演出家のマイケル・ベネットが思い描いていた身体な動きによる表現を目指したい」と稽古時にはその意気込みを語っていたが、果たして、実現できたのだろうか?

冷戦終結から30年余。米ソの対立構造を背景にしたストーリーが皮肉に感じられた時代もあったが、今はとても切実だと主役(今回のアナトリー役)のラミン・カミンスルーは語る。「米国とロシアは未だ対立しているし、英国はEU離脱で分断されている。僕たちはみな、望まないCHESSのゲームをやっているようなもの。国が泥仕合を続けている中で、苦しむのは民衆です。これは冷戦時代の物語ではあるけれど、冷戦そのものや政治ではなく、その中で人々が置かれている状況の話。練り直して再演するには絶好のタイミングだと思います」。

ラミン・カリムルーは2年前、アメリカ・ブロードウエイ・センター・ステージで上演された『CHESS』でアナトリーを演じた。「チャンピオンになるには、CHESSに取りつかれたように没頭しなければならないんだろうね。10手以上も先を読むなんて、僕にはとてもできない。だけど、前回演じた時より、世の中の対立構造は深まり、一層不寛容になっている。分断を生み出しているトランプ米大統領を人々はなぜ支持するのか、僕も勉強して考えを深めてきたので、アナトリーの政府に対する気持ちをもっと表現できるんじゃないかと思っています」。

ここで“今回のアナトリー”役、ラミン・カリムルーについて詳しく紹介することにしよう。ラミンはイラン革命下のテヘランで生まれた。生後2カ月で家族とイタリアに渡り、さらにカナダに移り住んで成長した。そんな生い立ちも、役作りに生かすつもりだと毎回述べている。クルーズ船のショーのパフォーマーを経て、渡英。独学で演技や歌を学び、2002年に『レ・ミゼラブル』のフイイ役でロンドンの劇場街、ウエスト・エンドでデビューを果たした。『オペラ座の怪人』のラウル役、『ミス・サイゴン』のクリス役などでキャリアを重ね、28歳の時に、史上最年少で『オペラ座の怪人』の怪人役を演じ、少年時代からの夢を叶えた。
★ラミン・カリムル-(Ramin Karimloo) 1978年9月19日生まれ、現在41歳、イラン出身。ロンドンやブロードウエイで俳優として活躍。バンドを率いて音楽活動も行なっている。昨年、ミュージカルの楽曲をカバーしたアルバム『フロム・ナウ・オン』(ソニー)をリリース。今年4~5月には東京と神戸で行われる宝塚歌劇団雪組トップスター、望海風斗のライブツアー『NOW! ZOOM ME!!』にゲスト出演する予定だ。

そんなラミン・カリムルーは『CHESS』と自分の過去を重ね合わせて語る。「『アンセム』は僕にとって大きな意味を持つ特別な歌。このミュージカルが再びヒットしたら、『レ・ミゼラブル』の主題歌『民衆の歌』に匹敵するほどの力強さがあると思います。僕たちは、軍国主義的な意味ではなく寛大な心で祖国を誇りに思うことを忘れ始めています。ふるさとという言葉には何か美しい響きがある。僕はいろんな国に住んできたから、どこにその思いを込めるだろう。どこが古里か分からないからこそ、この歌の歌詞が好きなんです」。
ラミン・カリムルーがが俳優を志したのは、カナダに住んでいた12歳の時。課外授業で『オペラ座の怪人』を観に行き、魅了されたとのこと。この時の怪人役は『レ・ミゼラブル』のロンドン初演でジャン・バルジャンを演じたコルム・ウィルキンソン。のちに2人は2010年にロンドンで行われた『レ・ミゼラブル・25周年記念コンサート』で同じ舞台に立つことになり。“運命”とはこういうことを言うのだろう。
2014年には新演出の『レ・ミゼラブル』でアメリカ・ブロードウエイ・デビューを果たす。翌年のトニー賞でミュージカル主演男優賞にノミネートされた。「キャリアが広がるのはありがたい。いろんな新しいチャレンジができて、うまくいっても、失敗しても、何か学ぶことがあり、成長できるから」。

そんなラミン・カリムルーがなぜ今回、『CHESS』日本公演に出演することに決めたのだろうか? 「同じことばかりやりたくないし、成長したい。日本にはロンドンやニューヨークとも違う、独特の演劇の文化があり、魅力を感じる。僕のような人間がたびたび来日できるようになってきたのがうれしい」というのが理由なようだ。
台詞劇にも意欲を見せ、いつか『欲望という名の電車』のスタンリー役を演じたいという。「俳優にとって、『マクベス』のように自分の力を測る指標のような作品。年を取り過ぎないうちにやりたい。そのために筋力トレーニングを続けているんです」。

今回の『CHESS』を日英の混成キャストで上演する狙いは、日本のミュージカルのさらなる底上げだと公演を製作する梅田芸術劇場の村田裕子取締役は取材に対して語っていた。「曲の美しさと作品の対立構造を、いろんな人種でやることで表現できると思った。日本の人口が減っていく中で、マーケットをグローバルに広げないといけない。いつでもウエスト・エンドやブロードウエイに(作品を持って)行けるように、体力とスキルとプロデュース能力を高めたい」と。とても素晴らしい視点だと思う。しかし「誰もがやっていないこと」を目指すのはそんなにたやすいことではない。例えば今回の『CHESS』は日英ドリームキャストの共演が実現した。しかも“ロンドン初演版の台本”を使ったというのだからすごい。だがここで思うのが「『CHESS』初演版を観たファンへの配慮」である。おそらく、日本のメディアも梅田芸術劇場の従業員も誰もかれも一人も『CHESS』の初演版を観てないだろう。しかし日本には筆者を含め『CHESS』の初演版を観た人が数名いる。そういう人たちの力を借りずして、自分たちだけで『完結』するのは、『CHESS』初演時に観劇したファンに申し訳ないと思うわないのだろうか?(筆者を含む数名の日本人CHESSファンだけではなく世界中で『CHESS』初演を観たファンに対して、及び、ビヨルンとベニーに対して)。1983年ABBAが活動を停止し、その後、ディスコメイトレコード(ABBAレコードの販売会社)が倒産し、しかもあろうことかディスコメイトレコード社は「ABBAの資料を全部廃棄」し、一時期、ABBAの情報が全く日本に入ってこなくなった。筆者は潰れかけた『ABBAオフィシャルファンククラブ』を高校生の身分で引き取り、以来『自費』で渡航し、取材してきた。1984年の『CHESS INCONCDER』初演、1986年の『CHESS』ミュージカル版初演も、FAXと電話と航空会社に直接出向き、何が何だかわからないまま「席を確保」し観に行った。ネットが発達した今では到底考えられないだろう。こうして現在まで『36年』もの長きに渡り『日本におけるABBA、CHESS』を守り通してきた。後にABBAのCDやDVDを販売することになった「ポリドール(現ユニバーサルミュージック)」には誰一人、ABBAファンはいなかった。また日本では昔からABBAのデタラメな情報が信じられており、そうした「デマ」を流した張本人の諸先輩方に抗議するたびに、いじめを受け、迫害され、暴力を振るわれた。それでも『日本における“ABBAの真実”』を守り通してきた。今になって多くの方から「すごい!」と言われるが、デタラメなABBAの情報を流し続けた諸先輩からの「パワハラ」「モラハラ」は半端なかった。こういうことは本来はレコード会社の「ユニバーサル・ミュージック」が正すことだが、彼らはいつも「沈黙」を保った。それどころか守ってくれなかった。
このような筆者が今、置かれている状況をイギリスでは『アダルト・ブリングadult bullyig』と言う。まだ日本では『認知されていない用語』であるが、そのうちに広まっていくだろう。

これはあくまで個人の意見だが今回「フローレンス役」を例えば、天海祐希や米倉涼子と言った“大型女優”を登用することはできなかったのだろうか?また「フレディ」には今、若者に最も人気のあるロックバンド『ONE OK ROCK』のヴォーカル、Taka(森昌子の息子)起用と言う手段もあったのではないだろうか?それぞれの分野の“第一人者”を集めた『CHESS』は、結果、ファン層を広げることにもなるし、日本発のミュージカルとして世界に認知されたのではないかと筆者は思うが、梅田芸術劇場、及び、皆様はどのようにお感じになったであろうか?

『劇団四季』の創設者、故浅利慶太先生は『マンマ・ミーア!』を2002年12月に上演したのち、「ABBAファンは僕の演出をどう思っているだろうか?」「ビヨルンとベニーが観たら、激怒するかな?」と頻繁に筆者に質問を浴びせてきた。「大丈夫ですよ、浅利先生、10年は絶対に続きます」と筆者が応えると「日本のメディアはどいつもこいつも『マンマ・ミーア!は1年も経たずに終わる』とか『浅利のセリフはひどい』と言うんだ。“日本で唯一”きみ(筆者)だけが10年も続くと言ってくれている。頼もしい」「僕はまず劇団四季のファンではなく、日本のABBAファンに喜んでもらわないとダメだと思っているんだ」と何度も語っていらっしゃった。その浅利先生がせっかく“ミュージカル文化の大衆化”を実現してくれたのに、梅田芸術劇場が今後、海外に打って出るという。もしその意気込みが本当ならば『CHESS』や『ライオンキング』と言った“既に出来上がった作品”ではなく、日頃、浅利先生もおっしゃっていたように『オリジナルの新作』での挑戦を希望したい。恐らく、梅田芸術劇場も「世界中のミュージカル団体」から『アダルト・ブリング』を受けると思うが“初志貫徹”。意志を貫いていただきたい。

何かと論議を交わす今回の『CHESS THE MUSICAL』!だからこそ、是非、観に行きましょうね!!
【東京国際フォーラムホールC】 2020/2/1(土)~2020/2/9(日)
料金S席 13,500円 A席 10,000円 (全席指定・税込)
問い合わせ:梅田芸術劇場 0570-077-039
2月1日土曜日・17:30
2月2日日曜日・12:30・17:30*
2月3日月曜日・18:30
2月4日火曜日・13:30
2月5日水曜日・13:30・18:30
2月6日木曜日・休演
2月7日金曜日・13:30
2月8日土曜日・12:30・17:30
2月9日日曜日・12:30
*アフタートーク(登壇者:ラミン・カリムルー、ルーク・ウォルシュ、佐藤隆紀)
◆チケット取り扱いhttps://www.umegei.com/schedule/838/ticket.html#place936


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