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劇団四季 マンマ・ミーア! WATERLOO RADIO

『マンマ・ミーア!』フィルダ・ロイド、日本公演を語る

いよいよ『マンマ・ミーア!』札幌公演開演まで2週間となった。9・11直後『マンマ・ミーア!』をブロードウェイで観たメリル・ストリープはあまりの感動にドナ役に立候補したが叶うことなく、その後映画『マンマ・ミーア!』で59歳(当時)のメリルがアラフォーのドナを演じることに。このブロードウエイ公演の演出家フィルダ・ロイドが京都公演時に来日。インタビューに応えているので、本日はこれを紹介しよう。

Q.劇団四季の『マンマ・ミーア!』といえば、客席が立ち上がって一緒に「ダンシング・クイーン」を踊るカーテンコールがありますが、いかがでしたか?

A.フィリダ・ロイド氏(以下:ロイド氏)「もちろん思いきり楽しみました!それも“ジャパニーズ・スタイル”で!」

Q.“ジャパニーズ・スタイル”というと?

A.ロイド氏「日本の観客は、舞台に敬意を表して、上演中は集中して静かに観劇していますね。その分の感動を、カーテンコールで一気に爆発させている印象です。これが、例えばロンドンなどでは逆で、上演中とても騒がしい反面、カーテンコールで大きく盛り上がることはありません。ですから今日、皆さんと一緒にカーテンコールを楽しむことができて、大変嬉しかったです。そして、この物語が国境を越え、どの文化にも感動を与えられていると実感できたことは、私にとってさらなる感動でした。また、痛ましい震災から1年が経ち、多くの悲しみがあった中で、劇場を通じて皆さんにパワーを送る瞬間に立ち会えたことは、演劇に携わる者としてこの上ない幸運です。『9・11』が起きたとき、私はニューヨークで『マンマ・ミーア!』の開演の準備をしていました。悲惨な出来事が起きた中で、このハッピーな作品を上演してよいものかどうか悩み、私は「劇場とは何か?」という本質的な問いに立ち戻らざるを得ませんでした。そして、気づいたのです。劇場とは、人生の感動や喜びのすべて与える場であると。『9・11』から5週間後、この作品は、事件発生以降にブロードウェイで上演する最初の作品となりました。とても意義深い日々でしたね」。

Q.『マンマ・ミーア!』から力をもらっている人は多いと思います。

A.ロイド氏「この作品は、人と人との距離を縮める、人をより近くに温かく感じさせる、そんな作品だと思います」。

Q.今日、劇団四季の舞台を観劇されて、いかがでしたか?

A.ロイド氏「一言でいえば、見事なハーフ&ハーフでした。つまり、半分はオリジナルの形や精神を保ちつつ、もう半分は日本独自のものを含んだ状態ということです。これは、私たちオリジナルスタッフが、この作品を上演するカンパニーに常に望んでいることです。私はもう何度となくこの作品を観ていますが、それでもなお新たな感動を覚えることができました」。

Q.具体的には、どういった所に日本の独自性を感じたのでしょう?

A.ロイド氏「アンサンブルであっても自信を持って演じていて、きちんとした規律の下に全体として舞台が成り立っている。あくまでイメージではありますが、これは歌舞伎など芸の世界に通じるものかもしれません。とても自然な舞台で、まるで最初から日本のショーであるかのように錯覚してしまったほどです」。

Q.俳優の演技や歌唱力はいかがでしたか?

A.ロイド氏「とてもレベルが高くて、驚きました。特に、ABBAのスタイルをしっかりと掴んでいたことにです。決して、皆さんが思うほど簡単なことではありません。カラオケでは、自分もできていると思ってしまうかもしれませんが(笑)」。

Q.ダディーズの3人は、海外では国籍の違う俳優が演じて個性を出すこともあるそうですね。

A.ロイド氏「たとえ国籍が同じでも、タイプさえ自分のものにしていればまったく問題ありません。そして、今日の舞台では3人それぞれの個性をはっきりと感じることができました。日本だけでなく、ドイツなどでも3人すべてドイツ人が演じていますよ」。

Q.それでは、この作品が初演から多くの国で上演され、愛され続けている理由は、ずばりどんな所にあるのでしょう?

A.ロイド氏「何よりもまず、観客が自分を投影できるキャラクターが舞台に登場するという点でしょう。スケールの大きなミュージカルの場合、身近で共感できるキャラクターがいなくなってしまうことがあります。しかし、この作品は誰もが過去に経験したことがあるようなノスタルジックな物語であり、その中で登場人物たちは「自分とは何か?」という普遍的な、誰もが共感できるテーマと対峙していきます。そしてさらに付け加えるなら、やはり音楽です。これほど大ヒットした曲がたくさん詰まったミュージカルは、他にないと思います。しかも、個々の楽曲が素晴らしい輝きを持った上で、その楽曲が物語をしっかりと形作っている。音楽的な感動とミュージカルとしての構成力が同時に成立している点に、この作品の大きな魅力があると思います」。

Q.ロイド氏は、舞台だけでなく映画版『マンマ・ミーア!』も監督されています。映画を撮影した後に改めて舞台を観ると、新たなイマジネーションが湧いてきたりはしますか?

A.ロイド氏「舞台を観るたびに、必ず新鮮に感じ取るものがあります。私にとっては、劇場という場所はすべての源になる場所なのです」。

Q.映画のお話ですと、『マンマ・ミーア!』に続いて2作目となる『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』では、オスカーも獲得しました。映画を撮ろうと思ったきっかけは何でしょう?

A.ロイド氏「20代の頃はテレビ業界に携わっていたので、私にとってはあくまで自然な流れでした。映画版『マンマ・ミーア!』を撮り終えた後、再び舞台の世界に戻ってはいましたが、サム・メンデスやスティーブン・ダルドリーといった舞台と映画の双方で活躍している友人が多かったこともあり、もう一度映画を撮ることになったのが今回の作品です。映画を撮るという行為はとても大変な仕事ではありますが、私の中で、舞台と映画のそれぞれが互いに刺激し合っているように感じています。ですから、これからも両立させていきたいですね」。

Q.映画版『マンマ・ミーア!』でドナを演じたメリル・ストリープは、舞台版『マンマ・ミーア!』にどの役でもいいから出演させて欲しいと、ロイド氏に手紙を送ったと聞きました。

A.ロイド氏「それには、きちんとした理由があります。『9・11』が起きたとき、メリルの娘と友人はとてもショックを受けたそうです。そこで、心を閉ざしてしまった彼女たちを見て心配したメリルが『マンマ・ミーア!』に連れて行くと、とても感動して立ち直ることができた。メリルはこの舞台の持つ力に感激して、感謝の意味を込めて、その手紙を書いてきてくれたのです。それから数年後、映画版のオファーが届いたとき、メリルは「マンマ・ミーア!(信じられない!)」と喜んでくれたといいます」。

Q.映画版を改めて見直されることはありますか?

A.ロイド氏「『sing along』という映画を観ながら一緒に歌うイベントがあるのですが、そこに参加して観ました。6000人くらいの観客が集まり、それこそカラオケのように歌うのです。みなABBA風の衣裳を身につけてきていて、とても楽しかったですよ」。

Q.四季のカーテンコールと同じようなノリなのですね。作品の話に戻すと、マーガレット・サッチャーが“鉄の女”とすれば、ドナは“何の女”でしょうか?

A.ロイド氏「もう一人の“鉄の女”ということになりますね(笑)」。

Q.では最後に、今後はどういった作品を手掛けていきたいと思っていますか?

A.ロイド氏「どういう状況であろうと、常に女性に対して「決してあなたは一人じゃないよ」「あなただけじゃないよ」と訴えかけられる、女性が共感できる作品を作っていきたいと思います。声にならない声を上げながら葛藤する女性の物語のような。そうした女性を勇気づけ、励まし、希望を与えるような作品が、まだまだ少ないと私は思うのです」。

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